本記事について
タイトル通りではありますが、「Linuxというワードは聞いたことある程度や、そもそも名前すら聞いたことないよ!(TT)」という方に向けて作成しました。
入門書の入門のような感覚で見ていただけると幸いです。
LinuxはOSの一種でコンピュータを動かす基本ソフトウェアのことです。
- オープンソースであるため、誰でも自由かつ実質無償で利用することができる
- 質の高い多くのソフトウェアがLinux上で利用できる
- 世界中でサーバ用途として広く利用されているため、信頼性が高く、また汎用性もバッチリ
- 操作を自動化するための仕組みが用意されており、サーバの運用が行いやすい
Linuxの技術は長い時をかけて検証されているため大幅な変更をする必要がない
つまり!!一度習得すれば何年も使えるという代物なのです!
カーネルはアプリケーションソフトウェアとハードウェアの架け橋のような役割
OS(OperatingSystem)の中核となるソフトウェア
種類は一つ
Linuxを使ううえで必要ないくつものソフトウェアなど
諸々をまとめてパッケージ化しユーザが使いやすくしたもの
様々な種類があるが今の主流は、Red Hat系・Debian系
シェル
シェルは、LinuxのCLIを提供するソフトウェア
※CLI:キーボードからコマンド入力し、文字列として結果を出力するインターフェースのこと
ユーザ→シェル→Linuxカーネル
ユーザ←シェル←Linuxカーネル
ユーザがコマンド入力し、シェルが解釈して、Linuxカーネルに伝える
コマンド実行して、シェルを介して、ユーザにコマンド結果を表示する
[Rocky(ユーザー名)@localhost~]$
localhostはホスト名
「$」マークはプロンプト
プロンプトとは、コマンド入力を待っているから入力してねという意味
シェルの仕組み
- ユーザがプロンプトにコマンドを打つ
- シェルが入力された名前のコマンドを探す
- Linuxカーネルが見つかったコマンドを実行
- シェルが実行結果を画面に表示する
シェルの種類
sh
- 最も古いシェル
- ほぼ全てのUnixで利用できる標準的なシェル
- 機能は少ない
bash
- shを基本として機能拡張したシェル
- Linux環境でデフォルトのログインシェル
- 学習ならbashがおすすめ
zsh
- bashの機能を取り込み独自の拡張も追加
- 機能の豊富なシェル
設計思想として
Linuxは一つのプログラムには一つのことをうまくやらせる
色々な機能をできるだけ細かく切り分けて作る
WindowsやmacOSでは、アプリや文書、音楽、動画、画像などのデータ(情報)はファイルとして保存されます。そしてこうしたデータを格納したいくつかのファイルをフォルダという入れ物にまとめることで、管理をしやすくしています。
このデータの取り扱い方法はLinuxでも同様です。
WindowsやmacOSでフォルダと呼ばれるものを、Linuxではディレクトリと呼びます。
Linuxではシステム全体も1つ1つのファイルとして構成されています。
Linuxではあらゆるものがファイルとして管理されているため、Linuxを使いこなすにはファイルの取り扱いについてもしっかりとした知識を持っている必要があります。
Linuxは一つのディレクトリから、入れ子構造が始まります。
イメージとしては、大きな箱に小さな箱を入れていく感じです。
ディレクトリを操作するために覚えてほしい特別なディレクトリが4つあります。
ルートディレクトリ・ホームディレクトリ・カレントディレクトリ・親ディレクトリです。
これらはディレクトリの居場所を把握するために必要なディレクトリです。
ディレクトリ階層の最上階層のことです。
ファイルやディレクトリ操作では「 /
(スラッシュ、ルート)」を使って表します。
ファイルシステムの始まりの場所で、全てのファイルやディレクトリはここから始まります。
「ルート」とも呼ばれ、ルート(root)は「起源、根っこ」を意味します。
ユーザーの作業開始位置となるディレクトリです。
Linuxにログイン直後のユーザーは必ずホームディレクトリにいます。
ユーザー毎に異なるホームディレクトリを使うので、ユーザーによってホームディレクトリの場所は異なります。
ファイルやディレクトリ操作では「 ~
(チルダ)」を使って表します。
現在居るディレクトリのことをカレントディレクトリと言います。
ファイルやディレクトリ操作では「 .
(ドット)」を使って表します。
カレントディレクトリの直上にあるディレクトリを親ディレクトリと言います。
親ディレクトリは通常、カレントディレクトリを含む階層の一つ上に位置しています。
ファイルやディレクトリ操作では「 ..
(ドット2つ)」を使って表します。
パス(Path)
ファイルやディレクトリが、どの位置にあるかを教えてくれる文字列のこと。
ファイルやディレクトリへの道筋を示しています。
そして、ファイルの位置を表した道筋をファイルパス、ディレクトリの位置を表した道筋をディレクトリパスと呼びます。先程紹介したルートディレクトリ、ホームディレクトリ、カレントディレクトリ、親ディレクトリの4つにはそれぞれ「ディレクトリパス」が設定されています。
パスはルートディレクトリ( /
)を起点とした絶対パスとカレントディレクトリ( .
)を起点とした相対パスの2つの方法で指定することができます。
相対パスでは、1つ上の階層のディレクトリ(親ディレクトリ)は「..
」(ドット2つ)というパスを使って指定します。
以下のディレクトリ構造を例に、「Rocky」というディレクトリを
カレントディレクトリとした時の絶対パスと相対パスの書き方は下の表のようになります。
/
└── abc
├── Users
│ └── Rocky(ユーザー名)
│ └── study
│ └──linux
└── Work Documents
Linuxのディレクトリ構造はディレクトリの種類がとても多く、一度に覚えるとパンクしてしまいます。
「ここのディレクトリはこういう役割か〜」ぐらいの認識で大丈夫なので、知らないディレクトリが出てきた時にググってインプットしていくのが一番ベストかなと思います。
ディレクトリ |
役割 |
/ (ルートディレクトリ) |
ディレクトリの最上位に位置し、すべてのファイルとディレクトリの起点となっています。 |
/bin (ビン) |
基本的なコマンドが含まれるディレクトリです。例えばlsコマンドやcpコマンドなどのコマンドがここにあります。binはbinary の略です。 |
/boot (ブート) |
システムの起動に関する重要なファイルがここにあります。ユーザーはこのディレクトリを操作するようなことは殆どありません。 |
/dev (デヴ) |
デバイスファイルが格納されているディレクトリです。デバイスファイルとはマウスやモニターといったハードウェア機器をファイル化した表したものです。devはdevice の略です。 |
/etc (エトセ) |
OSなどのシステム全体の設定ファイルが格納されているディレクトリです。設定ファイルがあるのでとても重要なディレクトリです。etcはetcetera の略です。 |
/home |
ユーザーのホームディレクトリが格納されているディレクトリです。ホームディレクトリはLinuxにログインした時の最初の場所となるディレクトリのことです。 |
/lib (リブ、ライブラリ) |
OSに必要なライブラリファイルが格納されているディレクトリです。ライブラリファイルとはたくさんのプログラムで共有されて使われている特別なファイルで、プログラムが動くために必要な機能やコードが詰まっています。libはlibrary の略です。 |
/root (ルート) |
システムの管理者であるrootユーザーのホームディレクトリです。ルートディレクトリ「/」とは別物です。 |
/sbin (エスビン) |
システムの管理者であるrootユーザーのみが実行できるコマンドが含まれているディレクトリです。システムの管理や設定に必要なコマンドがここにあります。sbinはsystem binary の略です。 |
/usr (ユーザー) |
全ユーザーが共通して利用するプログラムやライブラリのデータが格納されているディレクトリです。 |
/var (バー) |
ログファイルが格納されているディレクトリです。ログファイルは、コンピューターの動作やアプリケーションの動きを記録するためのファイルです。varはvariable の略です。 |
Linuxのコマンドとオプション
Linuxのディレクトリ構造やパス表記などについて理解したところで、ここからは実際にディレクトリを操作していく方法を学んでいきましょう!
おさらいですが、下の図の[Rocky@localhost~]$の部分はコマンドプロンプトのこと。
つまり、コマンドの入力を待ち受けていることを示す文字列です。
[Rocky@localhost~]$ 以降に打ち込む部分を「コマンド」といいます。下記の図の場合だと「ls」がコマンドにあたります。
コマンド入力後にエンターキーを押下すると結果が出力されます。
[Rocky@localhost~]$ ls
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ドキュメント 音楽 画像
ここからは、初歩的かつよく使うコマンドを紹介します!
※コマンドプロンプトのユーザ情報は省略して、$の部分だけを残しています。
cd(change directory)
ディレクトリを移動するコマンド
※cdコマンドではオプションを使うことは滅多にありません。
cd オプション ディレクトリ
$ cd /Users/Rocky
cdコマンドを用いた特別なディレクトリへの移動方法
pwd(print working directory)
自分が現在いるディレクトリ(カレントディレクトリ)を表示するコマンドです。
シェルでファイルなどを操作する際には、カレントディレクトリが起点となります。
そのため、なにか作業をする前にはまずpwdコマンドを実行して、カレントディレクトリを確認する癖をつけておくとケアレスミスが格段に減るのでオススメです。
※cdコマンド同様、オプションを使うことは滅多にありません。
pwd オプション
pwd
/Users/Rocky
ls(list)
ファイルやディレクトリの一覧を表示するコマンドです。
ls オプション ファイル
$ ls
Desktop Library Pictures
$ ls / /Rocky_Stuby
/:
Desktop Library Pictures
/Rocky_Stuby:
Ruby JavaScript React
パス名展開
ファイル名の一部をパターンで指定することで、複数のファイルを一度に指定することができます。
これをパス名展開といいます。
パス名展開で使用するのは2つの記号です。
「 * 」や「 ? 」のような特殊な文字のことを「ワイルドカード」といいます。
ワイルドカードはファイル名やディレクトリ名を検索する時によく利用されますので覚えておいてください。
*
(アスタリスク)」は、「任意の文字列を指定する」と言う意味です。
*
(アスタリスク)を用いた検索の一例
$ ls *.txt
test.txt Ruby_stuby.txt Vim_practice.txt
?
(クエスチョンマーク)で、「任意の1文字を指定する」、と言う意味です。
ファイル名の文字数がわかっている場合は「 ? 」を使って絞り込むことができます。「 ? 」は一個につき一文字を表します。
?
(クエスチョンマーク)を用いた検索の一例
$ ls /bin/z???
/bin/zcal /bin/zamp
オプションとは?
コマンドの動きに追加の機能を指定したり、本来のコマンドの動きとは違った動きを指定するものです。
オプションは、「-
」ハイフンの後に文字や記号を付けて記述します。
オプションのいろいろな書き方
ls -a
ls -a -l
ls -al
ls -al /
ls --version
コマンド (+ オプション) |
説明 |
ls -l |
ファイルの詳細情報(ファイルタイプ・ファイルモード・リンク数・所有者・所有グループ・サイズ・タイムスタンプ・ファイル名ディレクトリ名)を表示します。 |
ls -a |
「.」ドットで始まる隠しファイルも含めた全て(all)のファイルを表示します。 ※ 隠しファイルとはファイル名が「.」ドットから始まるファイル。通常lsコマンドだけでは表示されません。 |
ls -t |
ファイルやディレクトリの最終更新時間順(time)に表示します。 |
ls -r |
逆の順序(reverse)でファイルやディレクトリを表示します。 |
mkdir(make directory)
ディレクトリを作成するコマンドです。
ディレクトリ名は日本語だと文字化けしたりする恐れがあるので、英語でファイル名を作成しましょう。
mkdir オプション 作成するディレクトリ名
$ mkdir test
必要なディレクトリ階層を一度に作成する
mkdirコマンドに-p
オプションを付けると、親ディレクトリも含めて、必要なディレクトリ階層を一度に作成することができます。
例えばtestディレクトリの中にpracticeというディレクトリを作りたい時はこのように書きます。
$ mkdir -p test/practice
コマンド (+ オプション) |
説明 |
mkdir |
ディレクトリを作成するコマンドです。 |
mkdir -p |
親ディレクトリも含めて、必要なディレクトリ階層を一度に作成します。 |
rmdir(remove directory)
空のディレクトリを削除するコマンドです。
空のディレクトリとは、中にファイルやディレクトリが含まれていないディレクトリのことを指します。
空ではないディレクトリを削除しようとするとエラーになります。それは中にファイルが残っていることを気付かずにディレクトリを削除してしまうのを防ぐためです。
rmdir ディレクトリ名
$ rmdir test
コマンド |
説明 |
rmdir |
空のディレクトリを削除するコマンドです。 |
cat(concatenate)
ファイルの内容を表示するコマンドです。
cat オプション ファイル名
$ cat /etc/hosts
127.0.0.1 localhost
::1 localhost
catコマンドでは主に以下のオプションが用いられます
-n:行番号を付加して表示します。
$ cat /etc/hosts
1 127.0.0.1 localhost
2 ::1 localhost
コマンド (+ オプション) |
説明 |
cat |
ファイルの内容を表示するコマンドです。 |
cat -n |
ファイルの内容に行番号を付加して表示します。 |
less(less - opposite of more)
ファイルの中身をスクロール表示するコマンドです。
たくさんのコードが書かれたファイルの中身を開く時に便利なコマンドです。
例えば上記のコードを実行すると以下のように長いファイルの中身がスクロール画面で表示されます。
less オプション ファイル名
$ less /etc/zshrc
if [[ "$(locale LC_CTYPE)" == "UTF-8" ]]; then
setopt COMBINING_CHARS
fi
disable log
HISTFILE=${ZDOTDIR:-$HOME}/.zsh_history
HISTSIZE=2000
SAVEHIST=1000
setopt BEEP
.
.
.
lessコマンド時のスクロール画面の操作は以下の通りです
操作方法 |
内容 |
スペースキー または F |
画面下にスクロール移動します。 |
b |
画面上にスクロール移動します。 |
j |
1行下にスクロール移動します。 |
k |
1行上にスクロール移動します。 |
q |
lessコマンド(スクロール画面)を終了します。 |
lessコマンドでファイルの中身を表示した際に、特定の文字列を検索して確認することもできます
操作方法 |
内容 |
/検索したい文字列 |
下方向に向かって文字列を検索します。 |
?検索したい文字列 |
上方向に向かって文字列を検索します。 |
文字列を検索後にn |
検索した文字列の次の検索結果に移動します。 |
文字列を検索後にN |
検索した文字列の前の検索結果に移動します。 |
headとtail
ファイルの中身の先頭から10行を確認したい場合は head
コマンド
ファイルの中身の末尾から末尾から10行を確認したい時は tail
コマンド
headコマンド、tailコマンド共に書式やよく用いられるオプションは同じです。
head オプション ファイル名
tail オプション ファイル名
head FILE
tail FILE
headコマンドでは主に以下のオプションが用いられます
オプション |
説明 |
-n |
行数:ファイルの先頭から指定した行数を表示します。 |
-c |
バイト数:ファイルの先頭から指定したバイト数を表示します。 |
tailコマンドでは主に以下のオプションが用いられます
オプション |
説明 |
-n |
行数:ファイルの末尾から指定した行数を表示します。 |
-c |
バイト数:ファイルの末尾から指定したバイト数を表示します。 |
-f |
ファイル名:ファイルに新しい内容が追加されるたびに自動的に表示を更新します。 |
まとめるとこのような表になります。
コマンド (+ オプション) |
説明 |
head |
ファイルの中身の先頭から10行を表示します。 |
head -n 行数 |
ファイルの先頭から指定した行数を表示します。 |
head -c バイト数 |
ファイルの先頭から指定したバイト数を表示します。 |
tail |
ファイルの中身の末尾から10行を表示します。 |
tails -n 行数 |
ファイルの末尾から指定した行数を表示します。 |
tail -c バイト数 |
ファイルの末尾から指定したバイト数を表示します。 |
tail -f |
ファイルに新しい内容が追加されるたびに自動的に表示を更新します。 |
touch
空の新しいファイルを作成したり、既存のファイルの更新日時を変更するコマンドです。
$ touch 新しいファイル名
$ touch 既存のファイル名
コマンド |
説明 |
touch 新しいファイル名 |
空の新しいファイルを作成します。 |
touch 既存のファイル名 |
既存のファイルの更新日時を現在の日時に変更します。 |
rm(remove)
作成したファイルを削除するコマンドです。
rmコマンドを実行すると、対象のファイルはゴミ箱には行かず、完全に削除されるので注意してください。
rm オプション 削除するファイル名
$ rm test.txt
rmコマンドでは主に以下のオプションが用いられます
オプション |
説明 |
-i |
削除の確認を行う。対象のファイルを本当に削除しますか?という形で確認する。これは誤って削除することを防ぐために利用されます。 |
-f |
強制的に削除を実行します。ファイルによっては削除に確認を求められる場合がありますが、このオプションはその確認を無視して強制的に削除を行います。 |
-r |
ディレクトリを対象に削除を行います。※ディレクトリの中のファイルやディレクトリも削除されます。 |
コマンド (+ オプション) |
説明 |
rm |
作成したファイルを削除するコマンドです。 |
rm -i |
削除を行う時の確認をします。 |
rm -f |
確認を無視して強制的に削除を実行します。 |
rm -r |
ディレクトリを対象に削除を行います。 |
mv(move)
ファイルの移動、ファイル名の変更を行うコマンドです。
移動元と移動先が「ファイルと存在しないファイル」「ファイルとディレクトリ」「ディレクトリとディレクトリ」
それぞれの組み合わせ次第でmvコマンドの内容が意味合いが変わります。
ディレクトリなのかファイルなのかはシステムが自動的に判断します。
mv 移動元のファイル 移動先のファイル
$ mv file1 file2
コマンド |
移動元 |
移動先 |
rmコマンドの内容 |
mv |
ファイル |
存在しないファイル |
移動元のファイル名が、移動先のファイル名に変更します。 |
mv |
ファイル |
ディレクトリ |
移動元のファイルは、移動先のディレクトリに移動します。 |
mv |
ディレクトリ |
ディレクトリ |
移動元のディレクトリは、移動先のディレクトリに移動します。 |
コマンド (+ オプション) |
説明 |
mv |
ファイルの移動、ファイル名の変更を行うコマンドです。 |
mv -i |
移動や名前の変更を行う時の確認をします。 |
mv -f |
確認を無視して強制的に移動や名前の変更を実行します。 |
cp(copy)
ファイルをコピーするコマンドです。
先程のmvコマンドと同じようにコピー元とコピー先が「ファイルと存在しないファイル」「ファイルと既存ファイル」「ファイルとディレクトリ」それぞれの組み合わせ次第でcpコマンドの意味合いが変わります。
こちらも、ディレクトリなのかファイルなのかはシステムが自動的に判断します。
cp オプション コピー元 コピー先
$ cp file1 file2
コマンド |
コピー元 |
コピー先 |
cpコマンドの内容 |
cp |
ファイル |
存在しないファイル |
コピー元の中身をコピーして、コピー先のファイル名でファイルが作成されます。 |
cp |
ファイル |
既存ファイル |
コピー元の中身を、コピー先に上書きします。 |
cp |
ファイル |
ディレクトリ |
ディレクトリの下にコピー元のファイルが作成されます。 |
cpコマンドでは主に以下のオプションが用いられます
オプション |
説明 |
-i |
ファイルを上書きコピーしてよいのかを確認するために使います。これは誤って上書きコピーすることを防ぐために利用されます。 |
-r |
ディレクトリをコピーします。cpコマンドは基本的にファイルをコピーする機能なのでコピー元がディレクトリだとエラーが発生してしまいます。-rオプションを付けると、ディレクトリをコピーすることができるようになります。 |
コマンド (+ オプション) |
説明 |
cp |
ファイルをコピーするコマンドです。 |
cp -i |
コピーを行う時の確認をします。 |
cp -r |
ディレクトリをコピーします。 |
ln(link)
リンクを張るコマンドです。
「リンクを張る」とは?
Linuxではファイルに別名を付けることができ、別名を付けることを「リンクを張る」と言います。
そして、このリンクには2種類のリンクが存在しています。
それが「ハードリンク」と「シンボリックリンク」です。
ハードリンクとは?
- 1つのファイルの実体に複数の名前をつける機能です
- 元のファイルを削除しても消えない
- 削除が必要な場合は全てのファイル(ハードリンク)を消す必要がある
- リンク先のパス名が書かれた特殊ファイル
- リンク先がファイルの実体
- シンボリックリンクを消しても何も影響はない
→シンボリックリンクはリンク先のパス(道筋)名を記載しただけだから
- シンボリックリンクを残したままファイルの実体を削除したり、ファイル自体を別の場所に移動させてしまうとファイルの参照はできない
→ファイルの実体(目的地)が無ければ行くことはできない
→ファイル自体が別の場所に移動すればパス(道筋)も変わってしまうから
リンクを使用するタイミング
長いパス名を省略したい時に使うことが多いです。
例えば、/home/user/documents/practice/study_1/......
のようにディレクトリやファイルが深い層にあると、指定するたびにパス名を入力しなければなりません。たくさんの手間と時間が掛かってしまいます。
そこで、リンクを使用すると設定したディレクトリ名やファイル名だけで簡単にアクセスできます。
※ ハードリンクとシンボリックリンクでは、シンボリックリンクのほうが使用することが多いです。
- ハードリンクには制限があります。
- 異なるディスクを跨いで作成できない
- ディレクトリに対して使えない
その点シンボリックリンクは制限なしのため、非常に使い勝手が良いです。
書式、ハードリンク、シンボリックリンクの詳細は以下のとおりです。
ln オプション リンク元ファイル名 リンク名
$ ln file1 file2
$ ln -s file1 file2
コマンド (+ オプション) |
説明 |
ln |
リンクを張る(ハードリンクを作成する)コマンドです。 |
ln -i |
シンボリックリンクを作成します。 |
find
ファイルがどこにあるのか検索するコマンドです。
find 検索開始ディレクトリ 検索条件 アクション
$ find.- name README.md -print
./wordpress/ /README.md
$ find.- name README.md -print の解説
.
:検索開始ディレクトリ(例では、「 .
」カレントディレクトリを指定)
- name README.md
:検索条件
-print
:検索アクション
フローで表すと
1. カレントディレクトリを起点にして
2. file.txtに該当するファイルを検索し、該当ファイルを見つけたら
3. -print(パスを表示すること)を実行
「 -print 」はfindコマンドで頻出の検索アクションでパス名を表示します。
検索アクションを指定しない場合は「 -print 」が指定された時と同じ動作を行うので省略可能です。
よく使われる検索条件
-name
- ファイル名を指定してファイルを検索します。
- ファイル名の大文字,小文字は区別します。
- ワイルドカード(「 * 」や「 ? 」)を組み合わせて使えます。
- 「 * 」を使って指定する際は、検索条件を「
' '
」(シングルクォーテーション)または「 " "
」(ダブルクォーテーション)で囲います。
$ find . -name "*.html" -print
./Desktop/stuby.html
./Desktop/Ruby.html
-iname
- ファイル名を指定してファイルを検索します。
- ファイル名の大文字小文字は区別しません。
$find . -iname file.txt
./Desktop/documents/FILE.txt
./Desktop/pictures/File.txt
./Desktop/sample_git/file.txt
-type
$ find . -type f -print
$ find . -type l -print
$ find . -type d -print
-a
- 複数の検索条件を指定します。
- 「-a」は省略可能。
$ find . -type d -a -name images -print
「ファイルの種類がディレクトリ」と「TESTという名前」の両方の条件を満たすディレクトリの検索を意味します。
コマンド |
検索条件 |
説明 |
find |
-name |
大文字小文字を区別して指定した名前を検索します。 |
find |
-iname |
大文字小文字を区別せずに指定した名前を検索します。 |
find |
-type f |
通常のファイルを検索します。 |
find |
-type l |
シンボリックリンクを検索します。 |
find |
-type d |
ディレクトリを検索します。 |
find |
検索条件1 -a 検索条件2 |
検索条件1 且つ 検索条件2 を満たしたものを検索します。 |
chmod(change mode)
chmod
コマンドはファイルやディレクトリのパーミッションを設定するコマンドです。
と言われても、なんのことやらさっぱりだと思うので大事な説明を先にします。
chmod開設の前に知っておきたいこと
chmodコマンドを理解するために知っておきたい概念が大きく2つあります。
1. ファイルのオーナーとグループ
2. パーミッション
この二つについて説明します。
1. ファイルのオーナーとグループ
ファイルには全てオーナー(所有者)とグループ(所有グループ)が設定されていて権限管理されています。
オーナーとはファイルやディレクトリの所有者を指します。
オーナーはファイルやディレクトリを作成したユーザーであり、そのファイルやディレクトリに対して特定の権限を持ちます。
グループとは複数のユーザーをまとめて管理するための仕組みです。
複数のユーザーが同じグループに所属することで、同じ権限を共有したり、ファイルやディレクトリの共有を行うことができます。
確認方法
ls -l コマンド
でファイルのオーナーとグループを確認することができます。
$ ls -l ~/Study2023
-rwxr-xr-x 1 Rocky practice 59 7 19 18:50 /Users/Rocky/Study2023
パーミッションとはファイルやディレクトリ「誰がどのように操作できるか」を定めたものです。
ファイルやディレクトリにはオーナー、グループ、その他のユーザーの3つのユーザーが存在し
それぞれに対して①read(読み取り)、②write(書き込み)、③execute(実行)の3つの権限が設定されています。
具体的には、以下のような形でパーミッションが表現されます。
記号 |
権限 |
略 |
r |
読み取り |
read |
w |
書き込み |
write |
x |
実行 |
execute |
これらの権限は、オーナー、グループ、その他のユーザーごとに個別に設定されます。
例えば、所有者が r (読み取り)と w (書き込み)の権限を持ち、グループとその他のユーザーは r (読み取り)のみ許可されるといった設定ができます。
また、ディレクトリに対しても同様にパーミッションを設定することができます。
ファイルのオーナーとグループの時と同じように ls -l コマンド
でファイルやディレクトリのパーミッションを確認することができます。
$ ls -l ~/Study2023
-rwxr-xr-x 1 Rocky practice 59 7 19 18:50 /Users/Rocky/Study2023
ls -l コマンド
で出力された -rwxr-xr-x
に注目してください。
1文字目の「 -
(ハイフン)」がある場所はファイルタイプ(ファイルの種類)の項目です。
今回の場合は1文字目が「-
」のため、通常のファイルです。
1文字目の「-
」の後ろの9文字 rwxr-xr-x
がパーミッションです。
パーミッションは rwx
, r-x
, r-x
と3文字1セットが3つ連なっていて、
を意味しています。
ファイル(ディレクトリ)への権限とその種類
パーミッションに表示された r
w
x
の記号は、先ほど紹介したファイル(ディレクトリ)への権限を意味します。 -
は権限がないことを意味します。
権限を許可する対象 |
read (読み取り) |
write (書き込み) |
execute (実行) |
オーナー rwx |
○ 許可 |
○ 許可 |
○ 許可 |
グループに属するユーザー r-x |
○ 許可 |
× 権限なし |
○ 許可 |
その他のユーザー r-x |
○ 許可 |
× 権限なし |
○ 許可 |
オーナーとグループ、そしてパーミッションへの理解が深まったと思うのでchmodコマンドの書き方について見ていきましょう。
chmodの書き方
おさらいですがchmod
コマンドはファイルやディレクトリのパーミッションを設定するコマンドと説明しました。ここからは書式を見ていきましょう。
chmod [u、g、o、a] [+、-、=] [r、w、x] ファイル名
$ chmod u+x test.txt
「u
、g
、o
、a
」はそれぞれパーミッションを設定する対象を示す記号です。
記号 |
意味 |
英語名 |
説明 |
u |
ユーザー |
User |
所有者に対するパーミッションを設定する。 |
g |
グループ |
Group |
グループに対するパーミッションを設定する。 |
o |
その他のユーザー |
Others |
その他のユーザーに対するパーミッションを設定する。 |
a |
すべてのユーザー |
All |
u、g、oすべてのユーザーに対するパーミッションを設定する。 |
「+
、-
、=
」は権限の追加・削除・設定を示します
記号 |
権限 |
r |
read(読み取り) |
w |
write(書き込み) |
x |
execute(実行) |
u
、g
、o
、a
は 「誰に対して」
+
、-
、=
は 「どうするのか」
r
、w
、x
は 「何を」
を表します。
- 誰に対して :
u
ユーザー
- どうするのか :
+
権限(パーミッション)を追加する
- 何を :
x
実行(を)
以上から「test.txtファイルにおいて、ユーザー(u)に / 実行(e)する権限(パーミッション)を / 追加する(+)」という意味になります。
「 誰に対して / どうするのか / 何の権限を 」を記号で組み合わせて記述します。
chmodコマンドを数字で指定する
8進数は0から7までの数字を使って表現される数の表記方法です。
パーミッションに割り振られた8進数を3桁で記述することで権限の指定を行うことができます。
意味がわかると簡潔に記述することができてとても便利です。
記号 |
権限 |
割り振られている数字 |
r |
read(読み取り) |
4 |
w |
write(書き込み) |
2 |
x |
execute(実行) |
1 |
(読み込み)には「4」、w(書き込み)には「2」、x(実行)には「1」が割り振られています。
上記の合計値を「オーナー」「グループ」「その他のユーザー」の順で入力するとパーミッションを変更することができます。
chmod 8進数3桁の表記 ファイル名
chmod 755 test.txt
例の chmod 755 test.txt
では
1.オーナーに read(4),write(2),execute(1) の権限が追加されて、 4 + 2 + 1 = 7
2.グループに read(4),execute(1) の権限が追加されて、 4 + (0) + 1 = 5
3.その他のユーザーに read(4),execute(1)の権限が追加されて、 4 + (0) + 1 = 5
となり、この数字を記号に直すと
- オーナーは read と write と execute が付与されて
rwx
- グループは read と execute が付与されて
r-x
- その他のユーザーは read が付与されて
r-x
以上から 755 は rwx / r-x / r-x
を意味します。
早見表
記号 |
権限 |
数字の割り振り |
8進数 |
rwx |
読み取り,書き込み,実行 |
4 + 2 + 1 |
7 |
rw- |
読み取り,書き込み |
4 + 2 |
6 |
r-x |
読み取り,実行 |
4 + 1 |
5 |
r-- |
読み取り |
4 |
4 |
-wx |
書き込み,実行 |
2 + 1 |
3 |
-w- |
書き込み |
2 |
2 |
--x |
実行 |
1 |
1 |
chown(chamge owner)
ファイルの所有者や所有グループを変更するコマンドです。
chown オプション ユーザー ファイル
chown user test.txt
chown オプション :グループ ファイル
chown :Study practice.txt
chownコマンドでは主に以下のオプションが用いられます。
※小文字rではなく大文字のRです。
-R:指定したディレクトリとそのディレクトリ以下のファイルやディレクトリの所有権も変更します。
コマンド (+ オプション) |
説明 |
chown |
ファイルの所有者や所有グループを変更するコマンドです。 |
chown -R |
指定したディレクトリとそのディレクトリ以下のファイルやディレクトリの所有権も変更します。 |
ps(process status)
実行中のプロセスを表示するコマンドです。
プロセスとは
コンピューター上で実行されるプログラムのことです。ここでいうプログラムとは、Webブラウジングやスプレッドシートを立ち上げて入力をするなどを指します。
ps オプション
$ ps
PID TTY TIME CMD
24545 ttys000 0:00.23 -zsh
25211 ttys002 0:00.05 /usr/local/bin/zsh -il
psコマンドを実行すると、PID
、TTY
、TIME
、CMD
が表示されます。
図で解説するとこのようになります。
項目 |
内容 |
PID |
プロセスID |
TTY |
ターミナル名 |
TIME |
プロセスがCPUを使用した時間 |
CMD |
実行したコマンドやプログラム名 |
psコマンドのauxオプションとは?
a
はすべてのユーザーのプロセスを表示
u
は詳細情報を表示
x
はユーザーのすべてのプロセスを表示
という意味です。
aux:すべてのユーザーのプロセスを、詳細情報に合わせて表示します。
ps aux
USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TT STAT STARTED TIME COMMAND
_windowserver 145 4.3 0.8 410229936 63184 ?? Ss 1 170 574:25.76 /System/Library/
Rocky 24539 2.5 0.3 35518656 27064 ?? S 日11AM 0:20.34 /System/Applicat
項目 |
内容 |
USER |
プロセスを実行しているユーザー名 |
PID |
プロセスID |
%CPU |
プロセスのCPU使用率 |
%MEN |
プロセスのメモリ使用率 |
VSZ |
プロセスが使用している仮想メモリのサイズ |
RSS |
プロセスが使用している物理的なメモリのサイズ |
TT |
ターミナル名 |
STAT |
プロセスの状態 |
STARTED |
プロセスを開始した時刻 |
TIME |
CPUの使用時間 |
COMMAND |
実行中のコマンド |
コマンド (+ オプション) |
説明 |
ps |
実行中のプロセスを表示するコマンドです。 |
ps aux |
すべてのユーザーのプロセスを、詳細情報に合わせて表示します。 |
kill
プロセスに対してシグナルを送るためのコマンドです。
シグナルを送られたプロセスは終了します。
例えば、突然プロセスが動かなくなってしまった場合、そのプロセスに対してシグナルを送ると、強制的にプロセスを終了させることができます。
シグナルとは
実行中のプロセスを制御する信号のこと。シグナルには、シグナル番号とシグナル名が割り振られています。
kill -l
コマンドでシグナルの種類を確認することができます。
代表的なシグナル
シグナル |
番号 |
意味 |
SIGHUP |
1 |
端末エミュレーターなどの終了 |
SIGNIT |
2 |
Ctrl+cキーを押したときの強制終了 |
SIGKILL |
9 |
強制終了 |
SIGALRM |
14 |
設定した時刻に送られるタイマーシグナル |
SIGTERM |
15 |
終了(killコマンドのデフォルト) |
SIGCONT |
18 |
実行再開 |
SIGTSTP |
20 |
Ctrl+Zキーを押したときの一時停止 |
kill PID または kill -シグナル番号 PID または kill -シグナル名 PID
$ kill 8795
$ kill -TERM 8795
このように kill PID
の入力でプロセスを終了させることができます。
コマンド |
説明 |
kill |
プロセスに対してシグナルを送り、プロセスを終了させるコマンドです。 |
kill PID |
指定したプロセスIDにシグナルを送り、プロセスを終了させます。 |
kill -シグナル番号 PID |
指定したプロセスIDにをシグナル番号に該当するシグナルを送り、プロセスを終了させます。 |
kill -シグナル名 PID |
指定したプロセスIDにをシグナル名に該当するシグナルを送り、プロセスを終了させます。 |
おわりに
Linuxの入門の入門ということで、実際に学んで見たことを記事にしてみました。
コマンドだけでもなかなかボリューミーなので、焦らずターミナルを使って一つ一つコマンドを打って実行結果を確かめてみるのが一番おすすめです!
YoutubeやUdemyなどの動画教材を見ながら手を動かしていくとなお知識として定着しやすいと思うで、ぜひやってみてください!
大変長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。